園町の家

 

この住まいは幹線道路沿いにあり、喧騒から住まいを守るために制限された最小限の窓と、大きな外壁で構成されるたたずまいが印象的ですが、内部は二世帯の家族がほどよい距離を保ちながら個々の生活を楽しめるような開放的なつくりとなっています。
庭木に囲まれ畳を中心とした落ちついた雰囲気の1階と、子供の成長とともに可変できるような工夫を持つ2階は、小さな吹抜けを通してお互いの気配を感じ、家族の絆を高めていくような空間です。
80年生の構造材は育った地を離れ、この地で住まい手とともに過ごす80年以上のこれからの歳月を静かに見守ってくれることでしょう。

 

雑誌掲載:「Takt」2011年9月号