港町の家

海岸線からほど近い場所に建つ住まいは、道路と空地に囲まれ、プライバシーを守るための目隠しと障子に覆われ、室内の照度は十分でなく、また風通しも良いとは言えない状況でした。そこで十分な採光と通風が取れ、プライバシーを確保できるような窓回りのデザインを中心に設計を進めました。
住まいの中心にあった玄関は南面の採光を妨げ、扉を開けると僅か50cmほどで道路ということから、安全面を考え東面に移すことにしました。また、限られた開口部からの採光を活かすために、空間は一つにまとめ適宜仕切って利用できるようにしています。白基調の壁面は室内を明るくし、杉板の風合いと相まって柔らかい雰囲気に包まれています。温度差が少なく温かみのある空間で、休日や来客時にキッチンカウンター越しに街角の風景をながめながらくつろいでもらえることを大切に考えました。