007 機能とかたち

写真はシトロエンC4という車で、クーペとサルーン(セダン)と2種類あるうちのサルーンの方です。6月に日本でも発売開始されました。ゴルフと同じCセグメント(車のサイズによる分類)に属しています。個人的に欲しい車ですが(試乗までしてしまいました)、宝くじでも当たらないことには・・・。

車のかたちは機能をどのように覆うかということで決定されます。最近は同一のプラットフォーム(車台)から数種類の車を派生させ、初期開発費用を低減する傾向にあります。これは同一メーカー内(マーチとキューブなど)の話に留まらず、グループ内(オペルとサーブなど)の車種にまで及んでいます。これにエンジンの大きさ、キャビン(室内)の大きさなどの余条件を基に車のかたちは決定されていくわけですが、C4の素晴らしいのは取って付けたようなデザインになっていない所にあります。特にリアセクションの流れるようなラインは特筆に値すると思います。あまり頑張ってデザインしてしまうと、かたちは機能面と乖離してしまい「美しくないかたち」となってしまいますが、この面でもC4は機能とかたちが絶妙なバランスを保っていると思います。
住宅建築の良し悪しは「住まう」という機能をどうやって「きれいなかたち」で表現するかに尽きると思います。やはりデザインやコンセプトのみが先行してしまうと、住みづらく居心地の悪い住まいになるのではなかと日々考えながら設計活動に取り組んでいます。(A)