017 土佐漆喰

土佐漆喰は名前の通り高知のメーカーさんが製造している製品で、写真のようなクリーム色の仕上げとなります。(撮影時点では施工してから間が無く、水分を含んでいたので、実際にはもう少し白っぽくなります。)
写真は「東山台の家」のダイニングの壁で背面に2階へ上がる階段があります。

土佐漆喰の壁は、奥さんの勤めていた事務所が標準仕様的に使用していたので、私たちの設計する住まいでも比較的よく使う素材の一つです。ワラやアサを混入したものも選べるので、空間によって仕上の表情を変えることも可能です。もっとも、ワラが入っている方が石灰の結合力が高まり、ひび割れ防止にもつながるので通常は混入品を選択する場合が殆どです。
私たちは、左官仕上げの壁を住まい手に施工して頂いています。それは、住まいは「買う」ものではなく「つくる」ものだと考えているからです。ですから積極的に「住まいづくり」に参加して頂けるように、このような場を設けています。自分で施工すれば、それだけ住まいに対する愛着も湧きますし、万が一、地震等の影響でひび割れてきたりしても既にメンテナンス方法として知っている訳ですから慌てることもありません。それに施工費用の一部軽減にもつながるのですから、自分で施工しない手はありません。製造元によれば土佐漆喰は本来プロ向けの商品なので、素人施工には適してないとのことですが、施工前に職人さんからレクチャーして頂いているので、気後れする必要もありません。
左官仕上は、仕上げた人によって表情が随分異なります。(皆さん平滑に塗ろうと努力されますが、まず出来ません。)荒々しい壁もあれば、繊細なタッチの壁もあります。住まい手の性格が最も表れてくる場所なのです。竣工後に住まいを再訪する際、セルフビルドして頂いた壁を見ては、打合せや竣工までの思い出とともに住まい手の性格も思い出しています。(A)

017 土佐漆喰” に対して2件のコメントがあります。

  1. aiarchi より:

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    なるほど、性格が出るのですね。なるほど、だから我家の塗り壁は・・・・・と思い当たるふしがいろいろ。ある部分はとても丁寧できれいで平滑だけど、ある部分はとてもアバウトで下地が所々見えていたり、ファイバーテープの網目が透けていたり・・・・。均一ではないのです。きっと性格にも波があるのでしょうね(他人事のよう・・・)。
    わたしもなるべく施主がセルフビルドでできる部分を設けるよう考慮して設計することが多いです。塗り壁にしても「全て」では負担が大きければ、一部だけとか、床のワックス掛けとか、外構工事の部分とか・・・。
    それには、まず、素材を選ぶ段階から吟味することが大切ですよね。

  2. miz-arch より:

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    ファイバーテープは石膏ボードなどのジョイント部分に発生するクラックを防ぐために使用しますが、網目になっているので左官材を吸い込んでしまいます。下塗りをしてから乾く前に再度塗ると、比較的目立たなくなるそうです。。。とは言っても難しいので、(予算のある場合は)モルタル下地まで工務店さんに施工して頂いています。左官の塗りムラも住まい手の味と解釈して、いろんな模様を楽しんでいます。
    私たちもaiarchiさんと同じように、床のワックス掛けや外構工事などのセルフビルドを行なっていますので、またblogで紹介できればと思います。

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