020 ヤマボウシ

山法師(ヤマボウシ)
ミズキ科ミズキ属の落葉広葉樹で造園木の場合、樹高3m、枝張1.5mほどに成長します。6月~7月に白い花を咲かせ(赤花もあります)、管理が比較的容易な樹木です。
写真の木は「株立ち」(足元から数本分かれて生えているもの)で、単体で植えると、より美しく見えます。住まいのシンボルとして植えるには最適だと思っています。

白い家」では建物を彩るために僅かではありますが、写真のような植栽帯を設けました。樹種の選定にあたっては、樹形がきれいな落葉広葉樹ということを条件にしています。スペースの関係から単独でも「きれいなかたち」で、2階の住居部分に一部かかる程度のものとなると選択肢は限られるので、あまり悩むことなくヤマボウシを植えることが決定しました。
ここからが結構大変だったのですが、ヤマボウシも生き物ですから望むような樹形のものは、すんなりとは見つかりません。知り合いの造園屋さんにお願いして、所有している造園畑を全て見せて頂き、その中から一本を選ぶことにしたのですが、結局、他数本(南面の一角にも2本の木を植えています)を選ぶことを含めると半日以上費やしてしまいました。(大規模建築の植栽の場合、数日掛けて各地の山々を探し回ることもあります。)
落葉広葉樹を選択しているのは、夏の暑い日ざしを少しでも遮り、冬には建物に陰をつくらず暖めてくれるようにと配慮したからです。落葉はとりたてて集めることもせず、下草の肥料にと放置しています。他から見ればもう少し手入れすれば・・・と思われるかもしれませんが、なるべく自然の状態で・・・という意図と私の不精具合ゆえ、このような管理状態となっています。住まいに植えられた木々からも、住まい手の性格を垣間見ることができるようです。(A)