039 柱と梁の構成

「白い家」「黒い家」の構造フレームモデルです。
毎回このような模型を製作する訳ではありませんが、構造が複雑であったり、意匠上重要である場合の検討用に製作しています。ちなみにこのモデルを製作した時期は建物の竣工後でしたが、オープンデスクで私の事務所に来た学生の勉強を兼ねて製作してもらいました。

私は写真のような同一の架構(柱と梁の構成)の連続する空間を好みます。その理由として空間に連続性とリズム感を与えることや、生命体の骨格のように力強くて美しいことなどが上げられます。シンプルに構成された架構に対し、住まいの内部空間は複雑な機能を必要とするので、これをどのように重ね合わせるかということに時間を費やしていますが、住まい手の要望を実現するために、その連続性を失うことも少なくありません。その際は発送を転換して、シングルフレームによる構成ではなくマルチフレームによる均質な構成を目指して、繰り返し検討を行なっています。かくして検討された構成が日の目を見るのは上棟日のみの僅か1日しかありません(上棟後すぐに外壁を施工するので見えなくなる)が、その美しさと力強さは毎回感動を与えてくれます。
柱や梁は、場合によっては壁などによって隠れてしまう部分でもありますが、それでも連続性にこだわるのは、外見からは見えない部分もきれいにしておくような清潔感を大切にしたいからです。。。というようなことを常日頃の食卓に上がる魚料理を眺めては考えています。(A)