040 洗面スペース

この住まい(白い家)は私たちの考える最小限の大きさを実現するために、洗面スペースをコンパクトにまとめています。幅1間(1820mm)、奥行き2間半(4550mm)で囲われたこの空間はプランの都合で採光を期待できない(写真奥の浴室左手には換気用の窓があります)ため、床と壁を白いタイルで仕上げ少ない光でも明るくなるように配慮し、天井には高野槇を張ることで浴室に相応しい柔らかい空間となるよう考えました。
この住まいのように狭い空間では、壁面を白などの明るい色で仕上げ、境界を曖昧にさせることで空間に広がりを待たせることができます。また目線上にある吊戸棚や壁などの遮蔽物を排除し、圧迫感を与えないように構成することも重要です。白い家の場合は、収納を右手前の壁内に埋め込み、浴室との境界をガラスとすることで狭さを感じさせないようにしています。
(※浴室にガラスを使用するとシャワーなどで飛散した石鹸がガラス面に付着して次第に汚れていきます。スポンジなどでは容易に落ちないので、私は浴室用の研磨剤が入った洗剤で拭き取れば簡単に回復できますが、磨き過ぎはガラスが曇る原因となるので注意して下さい。)

「白い家」ではトイレも同じ空間の中にあるので抵抗感のある方も多いようですが、ホテルや欧米の家庭に行ったと思えばいいだろう・・・ということで、このようになっています。最近、少しおおらかになったような気がするのもこの洗面スペースのお陰かもしれません。(A)