060 目地棒

これは外壁の左官仕上の途中の様子です。最初にモルタルを下塗り(写真の灰色の部分のような状態)し、次にモルタルを使って10ミリ角程度の木材を入れていきます。(これを目地棒といいます。)
その後、中塗りおよび仕上塗り(壁面を平滑にしたり、コテ跡などの模様を付けたりします)を行い完成です。その後、目地棒は外され、コーキングなどによって壁面の乾燥等による伸縮による割れを防ぎます。

本音を言えば目地棒は入れたくありません。それはデザインする上で邪魔な縦線が入るからです。しかし、写真にあるような窓の周辺は必ずクラック(ひび割れ)が発生するため、竣工後のことを考えると必要な対策です。ですから窓の割付(窓の位置を決めること)をきれいに整えることは、「目地をきれいに見せる」ことにもつながります。私は「美しくないもの」を覆い隠すようなデザインはあまり好きではありません。「美しくないもの」でも必要なものであれば、それを利用してどのようにきれいに見せるかということの方が大切だと思っています。(A)