066 現場監理

写真は「月岡の家」の作業風景です。この方は塗装の職人さんですが、塗装仕上の前処理として、下地になる部分(石膏ボードやシナ合板)のつなぎ目やビス穴などの凹凸部分を平滑にする作業を行なっています。パテ埋め後に紙やすりなどで磨く単純作業ですが、根気と耐力のいる仕事です。また、塗装前には写真で見られるような養生テープ(ボード廻りの水色のライン)を貼り、塗装を行なわない場所が汚れることの無いように保護していきます。このテープは塗装後に剥がされるのですが、テープのラインがスーッと通って見えるので、非常にきれいに仕上がります。

私たちが設計した住まいは、このような多くの職人さんによって支えられています。特に木造住宅は工業製品とは違い、現場で施工される方々の出来具合によって大きく左右されるので、その「バラツキを無くすための監理」が必要になってきます。勿論、設計図書通りに施工されているかという品質確保も監理の重要な仕事ですが、出来上がった建物の良し悪しを左右する施工状況を監理することは人相手なので、更に重要であると考えています。私たちの方針としては、「押し付けの仕事をさせずに気持ちよく仕事を行なってもらう」という考えがあり、大工さんはじめ多くの職人さんと対話しながら進めていくことに重きをおいています。私たちの考えていること全てが尊重されるのでは私たちの成長もありませんし、現場から教わることも数多くあります。そして、お互いが納得行って仕事を進めたときに、職人としての誇りによって造り上げられた住まいが出来るのだと思います。
写真の方に話を戻しますが、この塗装職人さんはとても上手なかた(今まで出会った塗装職人さんの中で一番上手です)で品質確保という意味では欠かせないので、いつも指名(工務店さんが違う場合は難しいですが・・・)しています。丁寧で根気強い。地味な作業の中にも「禅」の教えのような風景に出会え、そして出来上がった空間には「禅寺」のような清楚な雰囲気が漂っています。(A)

066 現場監理” に対して3件のコメントがあります。

  1. atelier-ten より:

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    投稿が再開しましたね!と、いう事は・・・
    (*^◇^)/゚・:*【祝】*:・゚\(^◇^*) おめでとうございます!!
    ・・・ですね!!?
    ※一時停止のコメントが削除された今したので・・・非公開コメントにしておきます。

  2. soe より:

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    第2子の御誕生おめでとうございます
    ブログ再開楽しみにしていました
    下地の作業は地味そうですが大切な作業なのですね
    きれいな家を作るには本当に色々な作業がありますね
    これからも楽しみにしています

  3. miz-arch より:

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    soeさん、ありがとうございます。
    これは陶器などの手作りに品にも共通して言えることかもしれませんが、骨格などを含めて見えないところに神経を使ってこそ「きれいなもの」ができるのだと思います。その点、私たちは真面目な職人さんに恵まれているな・・・と感謝しています。

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