075 洗面化粧台

写真は「月岡の家」の洗面室です。
私たちの設計では、ご覧のように既製品の洗面化粧台を使用しません。(もちろん住まい手の要望があれば使用します。)それは、スペースに合わせて製作した方が効率が良いことと、住まい手のライフスタイルに合わせたものを提供できるからです。
洗面器、水栓:TOTO
カウンター:メラミン化粧板(家具工事)
壁:木頭杉

こちらの住まいでは、写真のような洗面器を使用しました。これはカタログ上では「病院用器具」として扱われています。ボールの部分が大きいことと底面(深さ20cm)が平らであることから、洗顔や歯磨きといった一般的な利用の他、セーターなどの手洗いをしやすく、とても使いやすいことからお勧めしています。かたちとしては四角形をしてますから、楕円や円形を好まれる方には抵抗感があるかもしれません。価格が高価なものでより使い易いものもありますが、住まい全体の(金銭的)バランスを考慮するとこの製品が丁度良いと考えています。
また、こちらの住まいでは水栓金具(蛇口)も「病院用器具」を使用しました。操作レバーが長いので「ひじで操作できる」ことが、この商品のキャッチコピーとなっています。多少不便な点(流量調整機能がない)もありますが、高齢者と同居する住まい手にとっては、安全で使いやすいのではないかということで、お勧めしました。
この住まいの洗面室は、スペースの関係から少し狭くなっています。ですから少しでも広く感じられるように、洗面化粧台の前は全面鏡張りとしてあります。照明や水栓も鏡に穴を開けて取り付けてありますが、この穴を開けたり、そこへ器具を取付ける作業が案外厄介で、折角の鏡を割ってしまう可能性もあるので施工業者さんからは敬遠されています。けれども、完成した時の効果を考えると、どうすべきであったかというのは一目瞭然だと思います。取付けに関わったみなさん、ありがとうございます。(A)