079 住まいを彩るもの

これはフランスのvilac社のミニカー(木製)です。
とある美術館のミュージアムショップで初めて購入した(右手前のミニカーでフェラーリのマークが入った珍しいもの)をきっかけに、以降あちこちで見かけて気が向けば購入する・・・という形で数台所有することになりました。

ミニカーの裏面には安全性を示すCEマーク(Conforme aux Exigences規格の適合品であることをを示すマーク。形状・強度・塗料などについて、ヨーロッパの玩具安全基準を満たした製品であることを示している)が貼られているので、子供が手にとっても安心できます。ちなみにこのミニカーの色付けには、食品に使われるものと同じような着色料が使用されています。
住まいの中には、こういった小物や本、そして家具や子供の玩具など様々な色に溢れています。ですから私たちが設計する住まいでは、写真の背景にあるような「白い壁」を推奨しています。この壁は通常の壁下地となる「石膏ボード(プラスターボード)」に塗装しただけの簡単なものですが、そもそもは安価にして漆喰壁のように見せることが一つの狙いでもありました。本当の漆喰と違いひび割れることもありませんし、汚れたら拭き取ったり、最悪の場合塗り替えることでメンテナンスできます。また壁紙を使用した場合、壁紙やその接着剤に含まれる化学物質(ホルムアルデヒドなど)に悩まされることもありませんし、透きや捲れに悩まされることもありません。
この「白い壁」の本来の目的は「住まいに溢れる色」を減らし、逆に小物などを引き立たせるというところにあります。さらに住まいの中を明るくするという効果を得ることも出来ます。壁に色を与えるということは、空間がその色に支配されるという結果を招き、長く暮らす上では(年齢と共に嗜好が変わるので)不都合が多いと考えています。ですから「白い壁」を推奨するのですが、飾るものが映えるからといって、飾りすぎるのにも注意しないといけないなぁと時折、自己反省しています。(A)