081 雪吊り

雪吊りといえば金沢の兼六園の雪吊りが季節の風物詩としても有名ですが、「黒い家」でも庭木の手入れとして、写真のような雪吊りをします。
ご覧のような雪の重みに耐えるため、藁で編んだ縄を使い、小枝が折れないように支えています。最近は暖冬傾向にあり、雪吊りやっても意味が無いし、費用がもったいないな、なんて思っていましたが、さすがに今年は雪が多い(現在の積雪量55cm)ので、雪吊りをやった甲斐があると言えるでしょう。

木の種類や大きさによっては束ねるだけで雪対策は完了するのですが、ご覧のような松などの枝張りが大きな木は、写真のように雪吊りが必要となってきます。まず最初に対象となる木より大きな(背の高い)丸太もしくは竹などを垂直に立て、頂点から20本ほど(木によって異なります)の藁縄を放射状に垂らすことで一般的な雪吊りが完成します。
少し難しい話をすると、縄を下方向に引っ張る力が中心の丸太(もしくは竹)に伝わり、頂点を押える(引っ張る)ことで垂直方向の力(圧縮力)に変わります。丸太はせん断方向(横方向)の力に対しての強度は垂直方向の力に比べると弱いので、とても理に適った補強方法と言えるでしょう。ややこしい話は抜きにして、雪の積もった雪吊りはとても美しいし、雪の降らない地方の方にとっても印象的な冬の風景の一つではないでしょうか。(A)