083 選木

これは住まいをつくる際に使用する木材(写真は梁)をどの空間に使用するか選定している写真です。この作業を私たちは「選木(せんぼく)」と呼んでいますが、大工さんは通りの番号を付けていくことから「番付け」と呼んだり、「木配り」と呼んだりしています。
製材所から大工さんの加工場へ搬入された木材はみな表情が異なります。色目や節の大きさ・状態(生き節・死に節)、そして木材のクセ(曲がりや捩れ)など1本ごとに
異なるので、その良さを最大限に利用するために、この選木作業を行ないます。写真のように同寸の材を広げ、含水率を計測すると共にどこに使用したら良いか、大工棟梁を交えながら決定していきます。(この作業は半日~1日、場合によっては数日かかります。)
木造住宅の設計・監理で最も重要なのが、木材の品質管理です。そこで私たちは直接、山(林業家あるいは製材所)と連携しながら材の調達を行なっています。いわゆる産直方式(産地から直接購入する方法)ですが、全ての材を拾い出し(寸法や数)、手配する作業は手間がかかります。それだけに納材された柱や梁を見ては、毎回感激しているのですが、実際に本数が本当に足りているのか内心ドキドキもしています。また全ての材が素晴らしくきれいであることはありませんし、多少やんちゃでも使いがいのある材も混じってきます。ですから尚のこと、選木作業が重要になってきますし、楽しい作業でもあります。昨日は少し張り切りすぎて(自分で持ったり回したりした)今日は少し腰痛気味です。(A)

083 選木” に対して2件のコメントがあります。

  1. soe より:

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    木材を選ぶ仕事までしているのですね
    こういった作業は大工さんだけの仕事だと思っていました
    良く考えると木材によって建物の雰囲気も全く変わってきますね
    miz-archさんの設計した建物が美しく仕上がっているのはこういった地道な作業もあって出来ているのですね

  2. miz-arch より:

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    soeさん、ありがとうございます。
    照明選びなどもそうですが、空間を把握している設計者が一番適任だと思い、良かれと思ってやっているのですが、場合(大工さん?)によっては「大きなお世話」だったりしますから、本当に嬉しいです。

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