085 墨付け

これは「墨付け」作業が終わった梁の写真です。設計図を読みながら、どの位置を削り、どの位置に継ぎ手などの加工を施すかなど、木材に墨で書き込んでいく作業です。(所々に「ケズル」という文字が確認できます。)
もちろん化粧材となるところ(仕上がりで見えてくるところ)は鉋で削るので、墨付けの文字は消えてしまいます。

プレカット全盛の世の中ですが、私たちはコスト・工期などの条件が折り合えば、出来る限り大工さんの「手刻み」による加工をお願いしています。プレカットマシンの精度も上がってきたので、どちらが良いかとは一概に言えませんが、手刻みで加工するということは、大工さんの技術を次世代に受け継いで行くためにも重要なことだと考えています。
墨付けをするにあたり大工さんは通常、「板図(いたず)」と呼ばれる「大工さんの設計図」を合板などに墨で描きます。私たちの描く構造図は、大工さんが読み取り易いよう(板図と同じような描き方)に改良しています。これで転記による間違いなどを防いだり、大工さんの手間を減らしたりするようにしています。(中には頭に入れやすいので・・・ということで板図を起こして下さる大工さんもいらっしゃいます。)
この加工場では合板の上に私の描いたCAD図面が貼られていました。差し当たり、現代版「板図」といったところでしょうか。少しばかりニンマリしてしまいました。(A)

085 墨付け” に対して1件のコメントがあります。

  1. soe より:

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    家を建てるというのは想像している以上に沢山の緻密な準備や作業があって成り立っているのですね
    私みたいにプラモデルのように設計図を建築家が作ってそれを大工さんが組み立てるといったような幻想を抱いている方も少なくないと思います
    家を建てるのにこんなに作業が沢山あるとは本当に頭が下がります

  2. miz-arch より:

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    設計者はオーケストラの指揮者で、各工種の方々が演奏者によく例えられます。ですから私たちは、各工種に携わる方々の技能を最大限に引き出す努力と、調和(コーディネート)するための努力をしなければいけません。そのためにも職人さんたちとのコミュニケーションは大切です。
    プラモデルのように作るだけ・・・というのも簡単でいいのですが(笑)、そこには無機質な空間しか残らないような気がします。

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