087 鎮め物

通常、「鎮め物(しずめもの)」と言えば、地鎮祭のときに神主さんから頂くもので、「土地の神様」に捧げるものを指します。その場合、基礎工事が終わり埋め戻しの折に建物の真ん中、あるいは神棚の位置の下などに埋めることになります。(ただし水廻りの下部にならないように注意します。)
この写真は、住まいの四隅に埋めるための鎮め物で、住まい手自ら準備していただいた物です。手前から時計回りに「朱雀」「青龍」「玄武」「百虎」を模ったもので、それぞれ南、東、北、西の方角に埋めました。

「朱雀(太陽=赤)」「青龍(日の出=青)」「玄武(真夜中=黒)」「百虎(日没=白)」の四つの生き物は中国神話では、世界の四方向を守る聖獣とされ「四神」と呼ばれています。各々の聖獣が守護する方角が決められているので、住まいの四方位に埋める(祭る)ことで、住まいを守っていただくという意があるようです。本来は都市を創る際に(風水学からみた)地形に対してそれぞれの方位を守る神として祭るというスケールの大きな話なのですが、住まいもひとつの都市・宇宙としてとらえると、こういう鎮め物もあるのかな・・・と納得できます。
さて写真の話に戻りますが、この四神は銅でできています。(問い合わせ:四津川製作所)
写真のものは銅のままの仕上げですが、金メッキを施してあるものが標準だそうです。写真を撮影させて頂いた後、住まい手、工務店の現場監督とともに方位を確認しながら丁重に埋設しました。四霊獣は戦乱のない平和な時代にだけ出現するとされていますから、きっとこの住まいを含めて周辺の家々が平和に過ごせるようなることでしょう。(A)