094 外観

廻りに住む人や訪れる方に、その住まいを最も印象付ける要素のひとつがかたちや外壁の色といった主に外観と呼ばれる部分でしょう。仕様材料(素材)が何であるか、その色はどうであるか、周辺との景観的マッチングがどうであるかなど、様々な角度から検討する必要があります。

私たちの設計する住まいで使用する材料については以前記述したことがあります。その中でもガルバリウム鋼板は標準的にある色が限られているので、まずこの色を決めなくてはいけません。そして、それに合わせて自由に選べる面(吹付けや板面)の塗装などを色見本帳より選んでいくことになります。その際に重要視するのが周辺との景観的マッチング(周辺環境との調和)です。自分の住まいだから自由に・・・という発想では、「まちなみ」が崩れる一方ですし、その住まいを建てた住まい手や設計者の文化性が疑われる事態になりかねません。
写真の住まい(「下大久保の家」)では、正面に建っていたお寺(写真の右手奥)が周辺に与える影響が多いことや、隣接した住まいがお寺の配色に近かったことから、写真のような色(黒く見えますが実際には濃いグレーです)となりました。果たして竣工後は周辺に何の違和感もなく溶け込むことができました。このように全体的に色を似通わせることが難しい場合でも、ポイント的にまちなみを意識した色を加えることでも良いでしょう。
私たちは住まいのかたちや色については基本的に住まい手の裁量としていますが、幸いみなさんが「まちなみづくり」に協力して下さっているので何よりです。(A)