能登で見たこと・感じたこと

既に皆さまご存知の通り、3月25日AM9時42分に能登沖を震源とする地震(能登半島地震)が発生しました。この度「日本建築学会」の学術調査のため現地を訪れ、歩き、見たこと、感じたことを掲載します。
※写真は被災された方に配慮し小さく掲示しています。見づらいですがご容赦下さい。

地震発生当時、私は自宅から少し離れた町内の集会所に居ました。感覚的には震度4。阪神淡路大震災の体験より、近隣にはそれほど影響がないであろうことは察知できました。(また自身の設計物件も大丈夫であろうことは確信していましたが念のため調査は行いました。杞憂でしたが。。。)
さて震源地は・・・と速報を確かめ、震源がかなり近くであること、各地の震度などを知り、震源地により近い地域の被害状況を心配していました。以降、ニュース等で報じられる被災地の姿に神戸淡路大震災の直後に現地で見た廃墟の姿を重ね合わせ、罹災された方々の身を案じていました。しかし、この度自分の目で見たことを率直に伝えると、「能登は元気です!」の一言に尽きます。勿論、写真のような倒壊家屋あるいは半壊した家屋も多いことは事実です。特に震源に最も近い門前町の被害は酷いものでした。それでも神戸市内の状況と比較すると(復興までの道のりは)楽観的に思えます。また現地の方々がお互いを励まし支えあいながら黙々と片付けをされている姿は頼もしくもありました。倒壊した家屋が想像していた以上に少ないことも、こう感じさせる要因かもしれません。
(詳しくはいろいろな団体から発表があると思いますが)大きな被害を被った建物は一様に耐震的な造り(耐力壁の欠如)でなかったり、シロアリ等の被害で強度不足だったものが主でした。(これを普段の設計に重ね合わせ、これまでの方針に誤りが無かったことを感じ取れたのも収穫でした。)それでも少し離れた輪島市内の被害は(全壊家屋もありますが相対的にみると)軽微で皆さんが普段通りの生活(余震などで精神的には不安定かもしれませんが)を送られていたことが一番の収穫であり、私を勇気付けてくれました。
私たちの設計する住まいは、能登地方を原産とする杉やヒバを使用することも多く、能登地方とは深い関係があるともいえます。ですから私たちなりに復興の手助けとなる活動は積極的に取組みたいと思います。他にもこれまで通り、能登の木を使い続けることがより大切だとも感じました。そして休日には家族を伴い、能登へ遊びに出かけよう。能登は元気なんだから。(A)

能登で見たこと・感じたこと” に対して2件のコメントがあります。

  1. aiarchi より:

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    地震被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
    まだ、頻繁に余震が続いていますね。
    雪のシーズンでなかったことが本当に幸いだったと思います。
    地震や台風が来るたびに、自分の設計した建物が無事だったかどうか心配になります。そして無事だったと検証できたことで、自信になるのでしょうね。

  2. miz-arch より:

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    aiarchiさん、こんにちは。
    おっしゃられる通り、大雪の時と重ならなくて幸いでしたね。
    罹災家屋も増えたでしょうし、被災された方の生活もより大変ですから。
    私も地震、台風のほか大雪の際もソワソワ落ち着きません。
    わが家では「職業病」と呼んでいますけど。
    大丈夫と分かっていても、想定外のものへの不安は常に付きまといます。それだけ責任感があるとも言えるのでしょうが。。。

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