テーブルの脚

こちらはテーブルの脚となる部材にサンダー掛けしている(サンドペーパーで研磨している)ときの写真です。なぜ私がそのような作業をしているのか・・・。
ことの始まりは、住まい手のお父さんからの贈り物の欅の板でした。それは立派な一枚板で、0.9m×2.1mの大きなテーブル天板になりました。加工は家具屋さんにお願いして、表面はツルツルに仕上がりました。
さて脚はどうしましょう。座卓にするのは決まっているけど。。。
以前、構造材の余りで脚を造ったこともあり、今回も・・・と思っていましたが、構造材の端材が全くあまりません。住まい手に相談したところ、お父さんが欅の切り株うをお持ちとのこと。それも2つ!。。。ありがたく頂くことにしました。

 

大きな切り株を長方形に製材するのは工務店さんにお願いしました。けれでも大きすぎて表面加工ができないとのこと。そこで「それじゃあ、ちょっとサンダーでもかけてみよう!」ということになったのです。それに加工を外注すると、またお金もかかりますからね。

ちょうど知り合いの設計が電動工具をお持ちで、それをお借りし、おそるおそる挑戦してみました。思っていたより意外と簡で、思わずいろんなものを削りたくなってしまいます。実際に削ってみると、いろんなことを感じることができます。例えば木の表情。やはり木表(丸太の表面の部分)のほうがきれいで、削りもスムーズに進みます。普段から設計以外の作業も行なっているとはいえ、実際に木に触れることの大切さを改めて確認した時でもありました。
私たちは座卓を推奨することが多いです。その理由として、家族が多い場合などは、一度に子供たちの椅子まで揃えるのは金額的に大変であるから。そして座の方がたくさん座れるので、いろんな出来事に対応できること。
また小さいお子さんがいる家庭では、座の方が安全で便利な場合があるから。でもその座卓も子供が育って、大人の足腰が弱くなったら65センチのテーブルにできように工夫しています。
さてこちら住まいでは、元々100kg以上あった欅の板が60kgぐらいの立派なテーブルになりました。納屋で何年も眠っていた板が、食卓や勉強机となって住まいの中心に腰を据え、これから末永く家族とともに幸せに過ごしてくれることを考えると嬉しい限りです。そして私も少しだけお手伝いできたこと、幸せに感じます。(K)