住まい手の暮らし

先日、住まい手から「建具の調整をして欲しい。」との電話を頂いたのを切っ掛けに、久しぶりにお宅を訪問することになりました。こちらの住まいを訪れるのは6年ぶり。竣工当初は薄桃色だった徳島の杉材は、経年とともにいい色に焼け、味のある床になっていました。作業は早々に終わったので、その後は久しぶりに楽しくお話することができました。
住まい方も設計当初と変わらず、とても綺麗にお住まいでした。唯一変わっていたのは、打合せを始めた当時は年長さんだった息子さんが大きくなり、住まい手との話題が双方の子供たちの学校の話になったことでしょうか。その後に迎えた3月の連休も2軒の住まい手を訪問することになりました。こちらは見学希望の方と一緒に訪れたのですが、皆さん綺麗にお住まいで、わが家も綺麗にしなければと反省しています。

こうして住まい手のお宅を訪問することは、暮し始めて感じたことや、住まう工夫などを教えて頂けるとい機会でもあります。それぞれの住まいを構成する素材は然程変わりませんが、住まい手の暮らし方によって、内部空間が随分異なるのだと再認識させられます。住まいの飾り方にもいろいろあって、布を使ったり、小物を使ったり、観葉植物で飾ったりと、皆さん工夫されています。どうやら皆さん、私たちがお勧めしている「白い壁」を十二分に活用されているようです。
私たちの頭の中の引き出しにある「構造」や「温熱環境」の情報は、本を読んだり、講演会に出かけたり、机の上で勉強をすることで増やしていくのですが、「住まいの中の工夫」や「暮し方」の情報は、住まい手との会話から増えていきます。これからもこのような引き出しをたくさん作って、これから出会う住まい手のために整理整頓し、頭の中にとどめておこうと思います。住まい手の皆さん、これからも情報お待ちしております。(K)