続き間の家

能登半島地震で被害にあわれた住まいの耐震改修をしたいという相談を受け、住まい手さんと相談のうえ、建築年次の古い部分を中心に部分改修することをゴールに定め、あわせて今の暮らしで不都合に感じてこられたところも改修しました。
住まい手さんのご希望で、現在の間取りや設えを大きく変えないように計画を進めています。ですから、完成した間取りや仕上は、工事前後であまり変わり映えしません。見てわかるところは、耐力壁として設けた格子壁くらい。その格子壁も耐震の壁とはわからないように飾り棚のようにしつらえ、きれいに飾りつけられているので、もともとの空間に馴染んでいます。
住まい手さんは、どこをどのように耐震補強していったのかを施工現場をみながら暮らされていたので、よく理解されています。実際に現場を見ることで安心感も大きくなるのかもしれません。
完璧な耐震性能を希望されるのであれば、解体をして新築するのが最善の方法ですが、このように思い入れのある暮らしを残し、納得のいく耐震方法で整えることも選択肢に入れてもらえると嬉しいですね。

03 住宅(改修)

前の記事

つなぐ家