028 ハンマーナット

写真は「ハンマーナット」という構造用金物で、以前は「Dボルト」という名前で販売されていました。
柱と梁あるいは梁と梁を緊結し、地震の揺れで木組みが崩壊することのないようにするための金物です。
兵庫県三木市の「ディープラン ヨネザワ」さんで開発、販売しています。

木造の住まいの要は木材の強度のバラツキをどのように考えるかと補強金物をどのように使うかにつきます。しかし必要以上に補強したり、金物が目立ってしまう住まいは美しいとは言えません。私たちの設計する住まいは、真壁造(柱が見える構造)が多く、また天井を張らない仕上げとすることが多いので、構造金物が目立たないようにすることに気を使います。その点、ハンマーナットの場合、表面に見えてくるのは3cmの黒丸の部分のみなので、あまり気になることはありません。(杉の節と同じくらいの大きさなので、遠めには節のようにも見えて目立ちません。)またハンマーナットの優れているのは、ホールダウン金物(基礎と土台を緊結する金物)としても利用できるため、使用する金物の種類を整理し減らすことが可能です。


ハンマーナットの使用箇所を示す。節と同化して目立たない。(さんかくやねの家)

ハンマーナットを好んで使用している事務所・工務店は、少数派だと思います。それは、事前の加工や上棟の際に手間がかかったり、使用方法を良く理解していないと使いづらかったりするからです。しかし一度でも経験すれば、そんなに難しくない、むしろ使い易い金物であることが理解して頂けると思います。ハンマーナットが少しでも多くの方に認知され、普及すればいいなと願っています。(A)