029 セカンド・ハウス

これは蓼科にあるセカンド・ハウス(大きさは3間×7間の21坪)で、およそ40年前に建てられたものです。60名ほどのメンバーで共同所有されています。私の所属している団体にメンバーがいらっしゃたので、ご好意に甘え宿泊させて頂くことができました。気温20度(夜間)の涼しい気候と白樺の木立による森林浴でとても清々しい気分を味わうことができ、設計意欲を大いに掻き立てられるひとときでした。

セカンド・ハウスは週末にリフレッシュを兼ねて普段生活している土地を離れて生活するための住まいですから、いわゆる別荘とは異なり生活に必要なものは一通り揃っています。また普段あまり必要でないものは削ぎ落とし、必要最小限の大きさとして建てられています。ちなみにこの住まいの場合は、21坪の中に6畳程度の個室が2室用意されていました。仮に1年を通して住むことを考えた場合、この間取りにあと少しの収納を加えると可能になるでしょう。そう考えると「白い家」の住居部分は24.5坪ですから、丁度よい大きさであることを再認識できた良い機会でもありました。
大きな住まいを手に入れることは、メンテナンス等の維持費用も大きく必要とします。私たちは住まいを設計するにあたり、小さな住まいでも間取りを工夫することで、終の棲家としては必要十分であると考えています。何LDKという既成概念(そもそも住都公団がつくった概念で個人を重視した場合、無意味であると私は考えています)にとらわれない「ゆとりのある空間」と「フレキシブルな(可変性のある)空間」をもった小さな住まいが理想です。セカンド・ハウスをファースト・ハウスに。(A)

029 セカンド・ハウス” に対して2件のコメントがあります。

  1. aiarchi より:

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    新建築「住宅特集」2005年9月号が今日、届きました。別荘特集だったので、タイムリーだなあと思いながら拝見しました。
    写真で拝見する限り、40年前の建物とは思えないほど、美しく維持されていますね。共同所有で、わりと頻繁に使用されているからでしょうか?共同所有という形は魅力ですね。

  2. miz-arch より:

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    私も店頭で特集内容を見てニンマリしてしまいました。
    気付けば手にとってレジへ・・・。
    このセカンド・ハウスは工学院大学の教授であった武藤章先生の設計で、研究されていたアアルトを感じさせるような空間と緻密なできテールでした。若干のメンテナンスを受けてはいるものの、オリジナルの状態に近いそうです。所有されている方々がルールを守り、愛着を持って使っておられるのが、保存状態の良さにつながっているのだと思います。
    私も共同所有という形に凄く惹かれましたが、セカンド・ハウスを持てる身分でもありませんので、一夜限りの夢の世界でした。

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