049 ロフト

白い家」の居間の写真です。竣工してから半年後くらいに撮影した写真なので、現在とは違って物が少なくすっきりしていますね。現在は子供の本や箪笥など、随分増えたなぁ・・・という感じですが、収納量的にはまだまだ余裕があります。
壁面収納の上部にちらりと見える部分がロフトで、アルミの脚立を利用して上り下りしています。ロフト部分は全体で12畳ほどあり、写真奥にある8畳(殆ど写っていません)は納戸代わりに使用し、壁で隔てられた手前の4畳強のスペースは現在のところ利用していません。

住まいを設計するにあたり必ずと言っていいほど要求されるのが子供部屋です。本来はあって当然という空間なのでしょうが、私たちは子供部屋は無くてもよいという考えのもとに設計を進めます。住まいの寿命に対して住まい手の構成(年齢・人数)は変動していきます。ですから住まいを建てる時に必要な空間でも、しばらくすると不要になる空間があります。特に子供部屋は小学校にあがってから成人するまでの十数年ほどしか利用されなく、あとは「日当たりの良い納戸」になるケースが殆どです。そこで私たちは発想を代え、「一時的に子供部屋として利用することのできる空間」を住まいの中に設けることを提案しています。そうすれば子供が成人して巣立った後は夫婦の趣味の空間、あるいは臨時的な客間などとして利用でき、空間の価値が高まるであろうと考えています。
私たちの住まいには子供部屋は存在しません。「少ない面積で住まう」ということを前提につくられているからというのもありますが、個室的空間を子供に与えないという教育方針に則ったからでもあります。個室的空間で内向的に育つより、オープンな空間で外向的で明るく伸び伸びと育って欲しいと考えたからです。現在は利用していない手前のロフトも、この秋には梯子が掛けられ子供(あるいは親)の「寝るための空間」として活用されることとなります。(A)