095 土台敷き

これは上棟前(約2~5日前)に行われる土台(基礎の上にある木材)の敷きこみを施工した際の写真です。写真では大引き(土台~土台に渡されている木材)も見えますが、こちらは主に床の加重を受けるための部材なので、中間部は床束(ゆかづか)で支えることになります。昔は床束は水に強い木で造られていましたが、近年はレベル調整のしやすさ、強度、耐久性などの理由から、プラスティック製や鋼製のものが主流となっています。

土台敷きの作業は基礎の上に木材を敷き並べるだけの、簡単な作業に見えますが、この作業の出来の良し悪しで住まいの良し悪しが決定すると言ってもいいかもしれません。もちろん事前の刻みとも関係するのですが、土台の位置が正確であるかどうかによって、上部の柱や床の位置が決まってくるからです。またレベル(高さ)についても正確に施工しないといけませんので案外神経を使う作業です。世の中には土台敷きを行った後に(妬みなどで)いたずらをしていく不心得者がいるという話を先日大工さんから聞きました。その場合は、再調整が必要(気づかず施工していくと、床に凹凸が生じたりする)ですから、建て方(上棟)が終わるまでは気が抜けないでしょう。
この写真に話題を戻すと、この写真には普通の現場では見られないようなものが写っています。大引きの横に添え木があるのが分かるかと思いますが、これは床下に敷く断熱材を受けるための桟です。(こうしておけば、後から下向き(場合によっては横向き)で取付け作業を行う必要もないので断熱材を並べるだけの軽作業で済みます。)この現場の棟梁は段取りがよいので、予め施工してから建て方を迎えるようです。仕事内容は違いますが、私もこれくらい段取りよく仕事しないと・・・といつも感心させられます。(A)