100 設計監理料

先日、同じ町内の父の友人が「黒い家」の庭に「猪おどし(ししおどし)」を造っていかれました。これで写真に写っている「つくばい」、写真右手に隠れている「灯篭」と共に「お庭の3点セット」が揃ったわけですが、一般の家庭にこういったものを持てるのも「地下水利用のできる水の豊かな地域」だからかもしれませんね。

設計監理料の料率は何によって決められているのでしょう。参考となっているのは国土交通省の示している告示1206号(一般木造住宅の場合、工事費のおよそ11~14%。坪単価等により異なる)ですが、これは昭和54年に定められたもので最近の改定は平成9年に行われたものとなっています。(時勢や時価の反映はされてないの?)
私たちの場合、家一軒を設計監理するのにかかる費用を独自に算出し設計監理料として定めていますが、経費の見直しや節減等を行い、いまのところ料率は工事費のおよそ9~13%としています。この額は随分前に定められた告示報酬基準にも満たないものですが、できるだけ住まい手の負担にならないようにとの考えのもと決めています。この金額が妥当であるかどうかについては住まい手の判断に委ねますが、私たちの業務内容を考慮すると決して高くは無いことをご理解頂けるかと思います。
さて猪おどしの設置についてですが、この住まいの設計者である私たちには一切知らされていませんでした。そうなると「設計者の意図」とは「別の世界」となるのでしょうが、住まいは竣工後、私たちの手元から離れるので当然の成り行きでもあります。ですから私たちも「その後」の住まいや思わぬ使われ方に非常に興味があり、しばらくたってから訪れた住まいの「変化」を楽しみにしています。住まいは竣工してから「住まい手の顔」をよく反映していくものなのです。住まい手の皆さん、どうかお手入れを怠り無く。(A)