122 土地と建物のはなし

これはお盆休みに訪れたキャンプ場で撮影した写真です。写っているサイトはわが家が利用した場所ではありませんが、池に隣接して良い場所だなと思い、次回は是非ともここにしようと記録のために撮影しました。
写している場所は共用通路(道路)からなので、ご覧のようにサイトの中が丸見えです。でもこちらはオートキャンプ場。自分たちの車を前に駐車すれば、十分な目隠しになってくれます。そして隣接するサイト(区画)との間には自然のままの草木が生い茂り、簡易な塀となっています。おかげでプライバシーが確保され、心地よく日中を過ごすことができそうです。

住まいを設計する際、どのようなかたちの建物を敷地のどこへ建てるのかということは、とても大切な要件の1つです。テントのように簡単に移動できないのですから、慎重に決めなければいけません。太陽光や風などの自然エネルギーをいかに効率よく取り込むことができるか、そして隣地との関係はどうか、(特に隣接した建物がある場合は)お互いの窓の位置関係はどうかという現在の状況、さらには将来にわたって(隣地の建物の)建て替えの計画を考慮する必要があります。これらの計画を慎重にこなすことにより、土地や建物の価値は何倍にもなるのです。
さて写真のテントですが、私だったらどのように建てるでしょう。画面右手が南になるので、おそらくもう少し中央寄りにテントを設営し、周囲の風通しを良くするようにしたかもしれません。そんな思いを巡らせながら、各サイトを眺め早朝の散歩をするのも、私なりのキャンプの楽しみ方の一つなのです。そこには、住まい手が自由気ままに(ある時は私の想像を超えるような発想で)建てた「小さな小さな住まい」が沢山あるので、私にとっての学びの場でもありますから。(A)

<2011/08/29追記>
予定通り、今年はこの場所でキャンプをしてきました。他と比べて少し小さめの土地でしたが、それを活かしてプライバシーを確保した居心地の良い空間が出来ました。朝起きると池で跳びはねるニジマスの音や、木々を通り抜ける風の音が聞こえ、リラックスした時間を過ごすことが出来ました。さて、次回はどんな所に設営しようかな・・・。また楽しみが広がります。