126 地球にやさしい住まい

先週末のこと。一昨年から受講している連続環境講座の実践編として、東京方面へ「環境建築」を見学するツアに参加してきました。「カンキョウケンチク」と言うと少し難しい感じがしますので、地球にやさしい建物を見学してきたと言った方が分かりやすいかもしれませんね。
今回のツアーで訪れたのは、学校や庁舎などの大きなものから、実験住宅やモデル住宅などの小さなものまで多岐にわたりました。規模や予算の違いあれど、限りあるエネルギーを有効に使おうという思想がそれぞれに込められていました。

さて写真の建物ですが、これはその際に訪れた中村勉さんが設計された「大東文化大学」の板橋キャンパスです。ご覧の通りとてもモダンな校舎ですが、この建物には「超寿命」「自然共生」「省エネルギー」「自然エネルギーの積極的利用」などの27項目に及ぶ工夫が込められていました。その中で最も感銘をうけたことは、この校舎に用いられたハイテクな設備ではなく、「少ないエネルギーを有効に活用するために、暖房範囲を限定したこと」でした。写真からも伺えますが暖房範囲は個室のみとし、階段や廊下などの共用空間は半屋外としてあります。こういった不特定目的空間が暖房範囲から外され不快なのかというと、決してそんなことはりません。むしろ外を感じることができ、偶発的な行動が起こりうる豊かな空間として位置付けられていました。実際、この時の気温は10度前後と肌寒かったのですが、それでもこの半屋外の空間にしばらく見を置きたくなるくらい居心地は良かったです。

こちらの写真は伊礼智さんが設計された相羽建設さんのモデルハウス「i-works」です。25坪あまりの小さな住宅でしたが、小さいことを感じさせない創意工夫と豊かな空間を見ることができました。残念ながら時間の都合で30分ほどしか滞在できなかったのですが、ここで生活すると心地よい時間が過ごせるだろうことは十二分に感じ取ることができました。そして「環境建築」というのはあくまでも建物を造る際の手段のひとつであり、重要なのはそこで過ごす人々の居心地の良さを見過ごさないことだと改めて確認することができました。
これまでもこのブログの中で私たちなりの「地球にやさしい住まいづくり」をいくつか紹介(006008011065104 など)してきましたが、これからも新たな取り組みなどを紹介していくことができればと思います。それは今回のツアーで見たようなハイテクな取り組みではないかもしれませんが、私たちなりの創意と工夫で地球にやさしい住まいづくりを継続していきたいと思います。(A)