一歩ずつ
先週末の連休を利用して、能登半島地震で被災された方の支援活動に参加してきました。技術系ボランティアというカテゴリーになるようですが、被災者宅へ伺い、どのように修繕したらよいか、その際の費用はどのくらいか、あるいは公費解体した方が良いのかなど、その場その場で悩み事にお答えし、選択肢を広げていくような内容です。写真は珠洲市の住まいで見た風景で、隣の住まいがちょうど公費解体の最中でした。景色は良くなるかもしれないけど、海岸線までの遮蔽物が無くなり風当たりが強くなるな・・・と悩んでいらした住まい手の家も公費解体の対象でした。大きく傾いた部分だけを部分解体し、擁壁を作り直すような選択肢もあることをお伝えしましたが、あとは住まい手の判断の範疇。個人的にはできるだけまちなみの風景が変わらぬよう、残して頂きたいと思うのですが、これには将来的な家族構成や住まい手のライフプランなどがあるので、それ以上は立ち入れません。
こちらの写真は珠洲市内の産業廃棄物の集積場。うずたかく積まれた建材が種別ごとに仕分けされていますが、中でも柱や梁の木材がひと際高く積まれていました。そして驚くべきことに、この仕分け作業が休日はあるものの24時間続いていること。近くのキャンプ場でテント泊したのでわかったのですが、重機のガタンゴトンという音が途切れることはありませんでした。
そして翌日に訪れた輪島市内では豪雨災害の復興ボランティアであふれていました。数軒訪れたうちの一軒は、玄関先で1.8mを超えるような浸水があり、床上1.5m以上の水が押し寄せていました。気付けば膝下まで水が来て外へ逃げることもできず、恐る恐る2階へ避難したという住まい手さんもいらっしゃいましたし、元日の地震での大きな被害を免れた、あるいは修繕したばかりというところにこの災害ですから、なんともやりきれない思いです。こうなると個人の力では復興まで辿り着くことは困難で、国や民間の大きな支援が欠かせません。私もできるだけ支援に回ること、そして風化しないよう正しく伝えていくことを続けたいと思います。(A)