000 現場から  ~続き間の家~

250226 左官壁

和室のしつらえとしてよく採用される左官。続き間の家にも聚楽が施工されています。写真の床の間は地震の影響で割れた壁を補修したところで、このあと聚楽で再施工することになります。

一般的に左官材料は乾燥すると固く硬化し、建物が揺れた際どうしてもちり際や、ボードの切れ目にヒビが発生してしまいます。外壁にも言えることですが、避けることはできません。こちらの住まいは和室以外にも廊下などに左官壁があり、和室のようにどうしても左官壁にしたいというところを除いて、今回の工事でクロス貼りに変更することにしました。クロス貼りにしたからといってひび割れが完全になくなるわけではありませんが、割れにくいということと、補修費用が左官より安価なことを考えて変更しています。クロス貼り仕上にも難点はあります。一番気になるのは、選んだクロスが今後の補修などの際に廃盤になっている可能性があります。その場合は、施工した面が全面張り替えとなります。そこで今回、塗装の下塗り用のクロスを施工し、塗装仕上げとすることになりました。木窓の家や、グランベール伊豆などで施工した塗料です。万が一汚れたときなどはその上から補修することもできま、その気になれば色も変更することもできる優れもの。面積は少ないのですが、住まい手と一緒にセルフビルドする予定です。


250212 耐震改修

半年ほど前に来所されて、住まいの耐震改修に関する相談を受け、先日工事がスタートしました。
工事目的が明確でした。今の家の耐震が優先順位の1位。
昨年の能登半島地震で和室の左官のひび割れを確認、市役所にも見に来ていただいたそうです。外部を見る限りは何ともありませんとのこと。当初は補助金のもらえる耐震改修を考えておられたようですが、どうもしっくりこないと事務所に相談に来られました。
耐震性能の改善が必要なのはわかっているが、耐震診断を受けたところ、あらゆる場所が耐力壁で覆われてしまうとのことや、現在の住まいの好きな佇まいは残したい。。。というこのジレンマでどのようにしたら良いのだろうと悩んでおられました。
いざご自宅へ伺うと、素敵な天井と2間続きの和室でした。住まい手さんの気持ちも良く分かります。そこで、補助金をもらう古メニューの耐震改修ではなく、必要な箇所だけを要望に応じて補強していくような部分改修を提案しました。
まず最初手を付けた部屋は2階部分の畳を外して、構成している梁が外れないように金物を設置し、床を強くする対策をしています。しつらえを残してできる耐震補強もあります。使用している梁は大きくてしっかりしているので、その梁が地震で外れないようにしました。

耐震診断をして、がっくり肩を落とされてそのまま1年を過ごされた方が多いと聞きます。命を守る住まいを今一度考えてほしいです。

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