000 現場から  ~黒瓦の家~

251104 左官工事
和室の漆喰塗を行なっています。他にも、玄関と居間にも漆喰を塗ります。毎度のことですが、作業時は随分色濃い(といっても上品な良い色ですが)ですが、時間の経過とともに白くなります。最終は薄いクリーム色になる予定です。
外部では、土間の左官工事が進んでいます。こちらはこのあと杉板で縁側を作ります。どちらも完成が楽しみです。


251029 内装工事
和室の仕上工事に取り掛かりました。写真のクランプが付いている梁は、ちょうど2階の外壁位置となるため構造の負担も大きく、集成材を使用することになりました。ただ、そのまま集成材を見せたくない場所でもあることから、どう見せたらよいかを5月の上棟の折より、大工さんと検討してきました。そして最終的に辿り着いたのは、他の構造材と同じ吉野から薄く挽いた杉板を取り寄せ、化粧板として見せることです。きれいな柾目の板は惚れ惚れする美しさで、長いこと悩んだ甲斐がありました。しかも、とんでもなく手間のかかる加工をしてくれた大工さん、ありがとうございます。

251020 塗装工事
住まい手さんとの打ち合わせを終えて現場へ。養生が外れて「仕上がってきた」感が出てきました。白い壁の中に少しずつずれながら林立する柱。水平に伸びる収納棚。そして視線の向こうの小さな窓。三つの要素が合わさった逆遠近法で実際以上の広がりを生んでいることが確認できました。
静かな2階と対照的に、1階では職人さんたちが黙々と作業を進めてくれています。現場もラストスパートに入りました。

251017 塗装工事
2階から順次、塗装工事が進んでいます。塗装工事の半分は丁寧な養生作業から。私もセルフビルドで作業をすることがありますが、かなり手間のかかる仕事です。今日見たところでは、そろそろ1階に取り掛かろうというところ。2階は晴天の日差しを受けて、一段と明るくなっていました。また、1階ではキッチン廻りの天井や廊下のクロス張りが進められていました。こちらは、このあとに左官下地のクロス張りへと進みます。選んでいただいたクロスの色もあって、落ち着いた雰囲気の仕上がりとなっています。訪れるたびに室内の表情が変わり、とても楽しい秋の工事現場です。

251010 足場解体
足場が解体されスッキリしました。足場があるときには分かりづらかった外壁の色も、周辺のまちなみとマッチして馴染んでいます。手前にある既存建物は工事完了に合わせて解体となるので、次回、外観を報告できる時には、さらにスッキリとした表情になるでしょう。内部では、塗装工事のための下処理が行われていました。穏やかな気候となり乾燥も進み、ちょうど良い施工時期となりました。

251003 内装工事
石膏ボードの施工が進み、完成した姿がイメージしやすくなってきました。大工さんは和室の仕上に取り掛かり、細部の寸法について打合せを行いました。これから住まい手さんと仕上の素材や色の打合せを行ってからの最終仕上げにむかっています。外部では雨樋の施工が行われ、いちょいよ足場解体を迎えます。

250922 塗装工事
週末の夜に強い雨が降ったためか気温も下がり、急に涼しい秋の気候になりました。その直前に塗った屋根の軒下天井の塗装も良い具合に乾いて安心です。いつもは軒天の塗装として白を選ぶことが多いのですが、黒瓦の家では瓦屋根やグレー色の左官の外壁に合わせて、薄いグレーと濃いグレーの二色に塗り分けることにいなりました。その効果もあって、いつもよりしっとりとした軒下空間となっています。もうすぐ解体となる足場が外されたときの姿が楽しみです。

250918 電気工事
壁に貼るタイルが決まり、それに合わせてコンセント移置の微調整を行いました。設計時点で凡その移置は決まっていますが、施工するタイルの大きさや厚みによって目地の移置が変わります。それにともないコンセントがタイルの中心または目地の中心となるように微調整を行います。電気屋さんの手間がひと手間増えてしまいますが、そこは仕上がりの美しさにを優先してご容赦ください。そんな感じで今回も申し訳ないと思いつつも、仕上がり優先で打合せを進めさせて頂きました。


250912 家具工事
大工さんが台所廻りの造作棚を製作中です。施工図を見ながら、柱から何ミリ出す、角を何Rで面を取るなどの打合せを行い、施工手順を悩みながら作業を進めてくれています。シンプルに見えていても、棚の一部は階段下収納とつながっていたり、背面も扉が引き込まれる部分と通常の奥行きの2種類があったりで、意外と面倒な納まりとなっています。加えて防火措置で不燃材料で仕上げるところもあったりで、現地確認しながら納まりの打合せを行いました。完成してしまえば、その苦労も分からなくなるような仕上がりを目指しています。

250904 外部仕上
外壁の左官が乾いてきたところで、外部廻りの塗装色を決めるための色見本作成準備。チップでは微妙な色の違いでも大きく塗ると結構違う。ということで、今回は4色のサンプルを作ってもらうことにしました。手元に届いてから住まい手さんと打ち合わせを行いますが、どんな色に決まるか楽しみです。内部は石膏ボードなどの張り付けも始まりましたが、大工さんからの焦らずじっくりと丁寧に完成を目指したいとのリクエストを受け、工期を少し延ばして頂きました。住まい手さん、ありがとうございます。

250826 左官工事
下塗り作業から1週間、今日は仕上げ塗を行いました。午前中に作業は完了し、午後から掻き落とし作業を行います。連日の厳しい残暑で作業も大変ですが、過乾燥が一番気がかりなところ。今日と明日は午後に降雨予報となっているので、少し安心しているところです。

250818 左官工事
お盆休み明けの初日は外壁左官工事から。透湿防水紙の上に張られた金属網(ラス網)の上に下塗を行い、その上にメッシュ状のひび割れ抑制ートを張ってからの中塗りをしています。この後、乾燥してから仕上げ塗と表面を整える掻き落とし作業と続きます。これらの前に大工さんの行う下地作業もあるので、いくつもの工程を重ねて仕上がっていく様子が頼もしいです。この作業のおかげで、今日は窓は閉め切ったまま。内部の仕上を行っていた大工さんは大変かと思いましたが、断熱材が効いていて他の現場よりも涼しいとのこと。いましばらく暑い日が続きますが、宜しくお願いいたします。

250805 外壁工事
40℃近い気温のなか、外壁の施工が進んでいます。1階の外壁は杉板張りです。当初は焼杉を検討していましたが、住まい手さんと相談の結果、塗装と無塗装の2種類を使い分けることとなりました。無塗装の板は経年とともに灰色化していきますが、この過程も楽しみたいとのことで、それではと、より表情豊かなラフ仕上げの板材を選択しました。こちらの杉板は氷見産のものですが、選木にあたって大工さんと製材所さんに大変ご苦労をお掛けしました。改めてありがとうございます。

250731 ユニットバス
ユニットバスが施工されました。1か月ほど前から施工日を予約し、壁のデザインた窓の位置、手すりの移置やリモコンの位置などの打合せを進めてきました。また、普段は見えない壁のなかの下地なども含めて調整し、事前準備を整えてきました。おかげで、どの部分より早く完成です。明日からは、外壁の杉板を張り始めます。少しずつですが、完成を目指して進んでいるのが嬉しいこの頃です。

250716 耐力壁
内部の耐力壁が施工され、部屋の具体的な大きさが分かるようになってきました。それを追いかけるように電気屋さんの配線が始まり、スイッチ、コンセント、換気扇などの移置確認の打合せを行いました。同時進行で外部では屋根屋さんが雨樋の取付作業を行い、なんだか賑やかな一日です。
真夏日で蒸し暑い日の作業とあって、内部では大型扇風機がフル回転。暑いなかでの作業、ありがとうございます。

250712 耐力壁
現場は1階の杉板床張り作業が完了しました。この間、大工さんは作業場と現場を行ったり来たり。私も打ち合わせ場所が事務所だったり、作業場だったり、現場だったり、電話だったり・・・と施工のタイミングにあわせて調整を行っています。
そんななか現場を確認していると内部に施工する耐力壁用の構造用合板が搬入されていました。そこはやはりというか、安定の事前加工済み。加えて釘の移置も描き込まれています。こんな手間のかかる作業を・・・といつも思うのですが、大工さんにとっては現場でちょこちょこ印をつけていくより楽なのだとか。確かに設計図面をスケッチの段階で詳細を詰めてからCADの作図に移った方が効率が良い。そういうことか。と勝手に合点をしながら現場確認しているのです。

250701 板材選木
大工さんは少し現場から離れて作業場での加工仕事を進めています。このひはちょうど、床板に使う厚板とテレビ台などの造作に使う造作材の仕分け作業を行っています。自分で描かれた施工図をもとに、どの板をどこに使えばよいか、節のある板と少ない板、全くない板をどのように組み合わせるかなど、ここは大工さんも悩みどころの一つ。方針が決まったら、あとは現場に入る前の事前加工にかかるだけ。ここにこれだけ時間をかけて頂けるのは、設計と監理を預かる身にとっては嬉しい限りです。
今年は暑い夏が長くなりそうですが、くれぐれも熱中症に注意して作業を進めて下さい。

250616 断熱材
1階床面の断熱施工が始まりました。これに先駆け、床下の配線、壁廻りの構造補強金物の取付、2階床面の構造用合板の釘打ちなどが終わっています。いずれも工事が進むと見えなくなるところなので、その前に確認をと現場へ足を運びました。この機を利用して大工さんとサッシ廻りの打合せもあったりと盛りだくさん。今回はうっかり忘れて靴下で現場内を回りましたが、次回からは内履き必須ですね。
今回の床に使用する断熱材はいつもの1.5倍の厚さです。みるからに安心感がありますが、これもうっかり踏み抜かないように注意しないとです。

250610 金属屋根
金属屋根も施工が完了しました。梅雨に入る直前に滑り込むことができました。黒瓦の家は2階の屋根や外壁のための足場が1階の下屋の屋根に載っています。それを調整しながらですから、通常より手間もかかっています。頑張って頂いた板金屋さんには感謝しかありません。しかもコーナーの厄介な納まりも丁寧に仕上げて頂き、嬉しい限りです。こうして職人さんたちの心のこもった手仕事で作り込まれていくのを感じています。

250603 瓦屋根
屋根の瓦葺きが完了しました。これから梅雨時期を迎えるので、その前に終わって何よりです。
阪神淡路大震災以降に建築基準法が改定され、瓦屋根などの重い屋根材を使用する場合は耐震のための壁量を増やすことが義務付けられました。また、2001年には瓦工事業界団体によるガイドライン工法が出され、全ての瓦を釘またはねじで緊結するように定められています(強制力はない)。さらに2022年には法改正が行われ、全ての瓦を緊結するよう定められました。能登半島地震で多くの家屋の棟瓦が被害を受けていますが、北陸では2001年からガイドライン工法が概ね取り入れられていたことから、地震の影響を受けていない瓦屋根も多数見ることができました。黒瓦の家では2階部分のみ瓦屋根(1階は金属板葺き)となりますが、北陸ならではの黒ピカの釉薬が美しく光っていました。

250527 上棟
今日は上棟作業初日でした。天気にも恵まれ順調に作業が進みます。途中、空を見上げると日暈(ひがさ)も見られ、現場はお祝いムードです。作業が順調に進んだのも大工さんの準備の賜物。柱や間柱は手加工、梁はプレカットのハイブリッドスタイルに加え、外壁や床の構造用面材も事前加工済み。釘打ち箇所も印が入って、応援で入っている大工さんへの指示も的確です。こんな大工さん、そうそう居ません。本当にありがたいことです。夕方には棟木も上がって、無事、上棟式も終えました。明日も引き続き、屋根と壁の仕舞作業が続きますが、天候も良い予報でありがたい限りです。住まい手さん、おめでとうございます。

250512 梁選木
金沢のプレカット工場で梁在位の選木を行いました。梁の大きさにもよりますが、リクエスト通りの赤身の多い材が集まりました。写真の通り含水率も合格です。目の積み具合も素晴らしいですし、今回も大工さんの顔もほころんでいます。どの材をどちらの場所に使うかもスムーズに決まりました。来週はプレカット工場に大工さんが通い詰めて手加工を加える予定です。手間のかかる作業を進んでやってくれる大工さんに感謝、そして短期間にこれだけの構造材を準備してくれた製材所さん、ありがとうございます。

250425 柱選木
大工さんの作業場に柱材が納入されました。吉野杉らしい「赤身勝ち」の指定を通り越した、真っ赤な材がズラリ。そして特注の和室廻りの柱のきれいなこと!。。。大工さんの顔も自然とほころびます。含水率を測定して、乾燥も十分なことに監理者の私もにっこり。遠路運んで頂いた甲斐がありました。
黒瓦の家の構造材は棟梁と協議して梁はプレカット加工、柱は大工さんの手加工のハイブリッド体制で行います。しかも梁は大工さん自らプレカット工場へ乗り込んでの二次加工を行うことになりました。これから大型連休を迎えますが、大工さんたちは休めるかしら・・・というのが、もっぱらの心配事です。

250414 基礎工事
配筋検査を行いました。組み上がってみると整然としている感じがしますが、床が3種類、立上りは13種類もの種類があります。これをくみ上げる順序を考えながら進めるのですから、職人さんは大変だったことと思います。所々、指定の鉄筋より大きなサイズのものに変えながら、丁寧に施工されています。この後、設備の先行配管を行ってから床面のコンクリートを打設します。工務店さんの事前準備も良く、順調に進んでいて何よりです。

250327 基礎工事
田の字プランをもとに発展させたかたちの住まい「黒瓦の家」の建設が始まりました。瓦屋根に左官と杉板の外壁、下屋と濡れ縁の半屋外空間など、日本家屋が大好きな住まい手さんの想いがたくさん詰まった住まいは、秋頃に竣工の予定です。これからも打合せが続きますが、完成目指して徐々に変化していく姿を含めて楽しんで下さい。私の方は早速届けられた基礎配筋の施工図確認をしているところです。工務店さん、現場進行に協力いただきありがとうございます。

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