木のオフィス

電気関連の設計施工をされている会社の事務所ビル。手狭になった執務空間と倉庫の拡張にと依頼されたのは鉄骨造2階建ての事務所の計画でした。既に調査されていた地盤調査報告書を確認すると液状化のリスクは少ないものの、支持層は地下25mほどに達します。軽量な木造で計画出来れば地下4.5mで支持できることから、コストダウンにつながる木造在来工法で進めることを提案しました。とはいえ、クライアントの希望の大規模空間と開放的な連窓の外観を適えるのは、なかなかの難題です。そこで4本の柱を1つのグループとして大きな柱をつくり、大きな梁を並列させることで、梁の断面を大きくしない構法に至りました。壁際に必要な耐力壁の背面に片引き窓を隠し、中間期の自然換気にも配慮しています。この建物で採用したのは断熱性能が高く安価な住宅用サッシ。おかげで暖かな執務空間が完成しました。クライアントが選んでくれた余裕ある容量のエアコンの熱を受けた床面は断熱材の効果もあって床暖房が入っているような暖かさ。快適に仕事をして頂くことができそうです。シンプルなスリット照明、壁際を補助的に照らす間接照明など、これからの業務提案にも利用して頂ける仕掛けがたくさんです。太陽光パネルの蓄電の効果もあって、面積が大きく増えたにもかかわらず、これまでのオフィスと同じかそれ以下で電力使用が済みそうとのことです。
住宅地での計画だったことから、ロードサイドは事務所らしい印象に残るようなかたちとし、住宅地サイドは建物ボリュームを小さく分けた圧迫感の少ない計画としました。先端技術が詰まった空間で、地域のシンボルとして、新しい仕事を生み出し続けて行かれることを祈念しています。

01 住宅(新築)

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