142 耐震基準

建物の耐震強度は、1950年に建築基準法が施行されたものがベースになっていますが、この頃は地震力という概念が無く、垂直方向の重さに耐えるための基準でした。その後、1978年に宮城県沖地震の際に都市部で大きな被害があったことから、1981年に建築基準法の大改正が行われ、地震や風など横方向の力に耐えるための基準ができました。さらに1995年の阪神淡路大震災を受けて200年に改正されたのが現在の基準となっていますが、ここでは耐力壁の施工を確実にするための補強金物の設置などが義務付けられました。ちなみに1950年の基準では、震度5強程度の揺れに対して家屋が倒壊・崩壊しないのを求めていたのに対し、1981年の基準(いわゆる新耐震基準)では震度6強~7程度のれに対して家屋が倒壊・崩壊しないことを求めています。令和6年能登半島地震で倒壊した家屋の多くが、新耐震基準以前の家屋であったことからも、耐震性能向上とその重要性が伺えます。
さて写真の建物ですが、こちらは大きな被害を出した輪島市内にある木造の建物で、もともとは新耐震以前の住宅だったものを2000年基準に耐震改修したもので、ご覧の通り大きな被害もなく建っていました。発災直後に「瓦屋根が被害をもたらした」というような報道があり、その信ぴょう性を問われるところでしたが、私たちの調査では、瓦屋根の家屋で倒壊や半壊以上の大きな被害を受けたものは、新耐震以前の古い家屋で57%、新耐震基準の建物で13%、2000年基準の家屋では2%に留まっていました。つまり瓦屋根の問題ではなく、建物そのものの構造性能によるところが大きいということに帰結するのですが、逆に古い建物の耐震改修を急ぐべきだということにもつながります。現在各自治体で「木造家屋の耐震診断」等の助成をしているので、気になる方は早めの申込をお勧めします。この3か月で既に例年の1年間の申し込み分生2倍以上の申し込みがあったと聞いています。そしてどのような補強を行うかなども含めて検討・実施を進めて頂ければと思います。私の事務所でもご相談をお受けしますので、気になる方はご一報ください。(A)

 

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