木工職人の家
飛騨市の山間に建つ住まいです。敷地南面には緑豊かな景色が望め、住むだけでゆったりとした気分になり、心豊かに過ごせるような場所です。 木工職を営むご夫婦は、この地に工房付きの住まいを求め土地を購入し、この住まいの建設を決断されました。
この住まいは1階が工房、2階が住空間として構成されています。工房には大きな工作機械が並ぶため大きなスパン(梁間)を必要とし、さらに2mの積雪に耐え得るような木造の住まい。これは非常に難しい課題でもありましたが、合成梁を用いることでローコストに解決することが出来ました。
住まいの部分は自らの職を活かして自作したキッチンや洗面カウンターなどがあり、また大工工事の大部分に住まい手自らが関わったことも大きな特徴の一つです。住まい手が時間を見つけては少しずつ住まいに手を入れていくことで、住空間はこれからさらに良くなることでしょう。そして工房では良い環境の下で造られた良い作品が世に送り出されるに違いありません。私たちも今後幾度となくこの住まいを訪れるでしょうが、その度に新しい発見ができることを楽しみにしています。
*2016年にキノテンジシツ併設
雑誌掲載:「SLOW HOUSE Ⅱ」、「建築と社会」2009年8月号、「住む」36号 2011年[冬]
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