外とつながる家

10mを切る正方形の土地に「ここに住まいを計画できますか?」と心配そうに持ち掛けられた住まい手さん。返した「大丈夫ですよ」の返事の裏には、狭く見せないための手法を持っていることがありました。隣接する駐車場からの視線からプライバシーを守り、開放的な空間を作ることは難しいように思われるかもしれませんが、どこを閉じてどこを開けるかを整理すれば導かれる回答は意外とシンプルです。北東の角を凹ませ、1階はアウトドアリビングとなるデッキ空間へ大きく開き、2階は吹抜を通して外部へつながるような計画は、完成した建物に入った住まい手さんから「ぜんぜん狭く感じません」のお墨付き。内部の個室も無理に仕切らず、家族の成長に合わせて調整が効くような設えとし、モノづくりのお好きな住まい手さん向けの空間としています。一時的には手狭になることもあるかもしれませんが、十分に住みこなして頂けそうで楽しみです。