桜町の家

 

都市計画で古いまち並みの保存などに携わっている住まい手の要望は、縁側のある能登瓦の住まいでした。この住まいの外観の色彩は周辺のまち並みからカラーサンプルを作成し決定しています。また使用する木材は近山の木(能登の杉・ヒバ、富山の杉)にこだわり、地域と密着した住まいづくりを実践しました。内部は居間と茶の間の2つのリビングを中心とした広がりのある空間とし、幅広の木製建具を用い、障子の開閉方法を工夫することで、室内から豊かな周辺の景観が最大限に取り込めるように配慮しています。2階部分は寝室を主体に構成しているので、あえて南面に窓を設けず、階高を抑えた造りとし、落ち着いた雰囲気となっています。また居間上部の吹抜けに通じて障子を設け、家族間のつながりや温熱環境が1階の生活スペースと一体となるように計画されています。

雑誌掲載:「新しい住まいの設計」2005年11月号、「{sumu}住む。」2006年冬号(第16号)、別冊新しい住まいの設計「快楽的家」