106 木部の塗装
こちらは竣工間近の「掛尾の家」で先日、住まい手にお願いして外壁杉板の塗装をして頂いた際に撮影した写真です。
私たちの理想とするする住まいづくりでは、住まい手にも積極的に工事に参加して頂きます。これで工事費用を節約できるのは勿論のこと、メンテナンス方法を修得でき、そして何より「自分で造った」という感動が伴うことが一番です。
まさに一石三鳥ですね。
私たちの住まいづくりでは、自然素材を中心とした「人体に影響を及ぼさない」素材を使用することを旨としています。竣工当初は良くても時間の経過と共に有害物を発散するものもありますし、素材として何を使うかということにはとても慎重にならなくてはいけません。加工製品などの場合は内容物が良く分からないので、安全データシート(MSDS)をメーカーから取り寄せ、安全であることを確認した後に使用するというのが一般的な流れとなります。案外見落としがちなのが木材で、特に外国産の場合は害虫駆除などに有害物質が使用されたりする例もありますから、木材産地を含めて製品をトレースする(出所をつきとめる)ことは重要です。
さて塗装のはなしですが、私たちは木部の塗装に主にドイツ製の塗料(オスモ、リボスなど)を使用しています。ご存知のようにドイツは環境基準が厳しいので、塗料についても安心してお勧めできるものが多いのです。ホームセンターには数多くの塗料が並んでいますが、私たちの基準からすると残念ながら使用できないものが殆どです。また私たちが推奨する木部用の塗料は表面に皮膜をつくり耐候性を上げるのではなく、内部に浸透させて木部を保護するものです。これは乾燥等により思わぬところに割れが生じても内部から保護していた方がより安全だからです。ちなみにメンテナンスの目安は外壁の場合、最初は1~2年内、その後3~5年定期です。
この日も予め下塗りをした後、上塗りだけを住まい手にお願いしたのですが、(皆さんそうですが)ご自分の住まいだけあって、丁寧かつ慎重に施工されていました。この住まいでは他にも左官塗りや床のワックス掛けをセルフビルドとしています。どれも思ったより重労働ですが、施工後は皆、満足感ときれいにできたかなという不安が交錯した微妙な表情です。上手く行ったかどうかは概ね施工する方の性格に寄るところが多いですが、こんなところにも住まい手の様子が伺えるとしたら・・・「壁は住まい手を現す」ですね。(A)
“106 木部の塗装” に対して4件のコメントがあります。
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今、リフォームの仕事をひとつやっているのですが、そこのお施主様も、塗装、左官の仕上げに意欲満々です。
左官は、同じくタナクリーム(「1日仕上げ」ですが・・・)を塗ります。
塗装は、プラネットカラーを使います。お施主様は色選びで迷っていらっしゃるご様子。プラネットのウッドコートはmiz-archさんの厳しい目でご判断されるに、いかがなものでしょうか?あっ、その部分はオフレコで・・・。
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aiarchiさん、こんにちは。
意欲満々のお施主様。。。素敵です(笑
私のところもタナクリームは最近は1日仕上げに変更しました。
施工しやすく、乾きも良いので、まさにセルフビルドにもってこいです。
それまではプロユースの土佐漆喰を使用していました。
プラネットカラーは安全で、良い塗料ですね。
うちもサンプルは取り寄せていますが、いまだ本格使用に至っておりません。
特に深い意味はありませんが(^^;
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たびたびで失礼します。
プラネットカラー、miz-archさまのお墨付きとあらば、安心です。
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「お墨付き」と言われると少し焦りますが・・・(笑
他にも「こんな塗料がありますよ~」って情報があったら教えてくださいね。